(English)
I met Santa Claus.
|
|
さて、ロバニエミから先も、ワープを考えてまして・・・次なる目的地は首都のヘルシンキ。当初はバスで考えていたのだが、ここから先は鉄道が走っているのを、地図を見てて発見。そして、鉄道だと、直通で一気にヘルシンキまで行けちゃう、ということで、列車に乗ってヘルシンキへ行くことに。
朝起きて、飯を食べた後、鉄道駅へ。ここで、ヘルシンキ行きのチケットを購入。夜行便が一番安かったので、それに乗っていくことにしたのだが・・・それでも値段は90ユーロ弱。日本円にして1万円強ですわ。高いよなぁ・・・まぁ、ここでも、時間をお金で買うと割り切って、泣く泣くお支払い。
さて、夜行便で行くことにしたので、それまで時間がある。その空き時間を使って、せっかくなので、サンタクロース村に行ってみることに。
そう、ロバニエミは、サンタさんの町として有名なんですよ。ロバニエミから北に8kmほどいったところに、サンタクロース村ってのがあり、なんとそこには、一年中サンタさんが居て、行けば、実際にサンタクロースに会えるという。
まぁ、サンタクロースってのは、子供向けのファンタジーですから。オイラとしては、そんなに興味があったワケではないのですよ。時間が空いたからという消極的な理由があったから、行こうって気になっただけで。
それに、フィンランドを全然チャリで走らないのも、なんだなと思っていたし。たとえ8kmほどだとしても、チャリでフィンランドの森道を走ることが出来るのなら、それはそれでいいな、と。それになにより、サンタクロース村が、北極圏上に作られているって聞きまして。前回の北極圏突入はフェリー上だったし、今回も、バスに乗って通過しちゃっただけだったんで・・・チャリで行けば、この足でちゃんと、北極圏ラインを跨げるじゃん、と。ということで、実は、サンタさん目当てというより、北極圏目当てで行くことにしたんですよ。
チャリで走り始めたサンタクロース村までのフィンランド道走り。天気はすぐれなかったのが残念だったけれども、木々の中を抜けていく道はなかなか心地よかった。
で、サンタクロース村に到着。まず目に入ったのは、北極圏ラインを示すモニュメントだった。こちらが主目的なオイラは、早速、記念撮影。
ひとしきり満足した北極圏脱出記念撮影をした後、まぁ、せっかくだからサンタさんにも会ってくるか、という軽い気持ちで、サンタクロース村内にある、サンタハウスへ。
コンダクターに案内された大勢のツアー客に交じって、サンタさんの居る部屋に入る入り口に並ぶ。サンタさんに会うのは時間制になっていて、決められた時間になったら、部屋の扉が開き、中に入って、サンタさんとご対面できるようになっている。
部屋前の扉の横には、クリスマスプレゼントの箱なんかが置かれており、雰囲気作りという意味では、かなりしっかり演出されていた。
そして、時間になり扉が開いたので、中へ。残念ながらココから先は撮影禁止だったので、写真は残せていないのだが、扉の中に入っても、サンタさんの部屋に行くまでが、これまた長い通路になっていまして。そして、その通路は、いかにもなサンタグッズで埋め尽くされていて・・・「どうせ奥に居るサンタなんて、誰かが演じているだけなんでしょ」と斜めから見ているオイラでさえ、ここを歩いていると、どんどん気持ちがサンタモードになってきた。
そして、通路奥。そこには、ひときわ大きな空間があり、そのど真ん中に、あふれんばかりの白髭をたくわえたサンタファッションの初老のおじいさんが座っていた。
ふおお、リアルサンタさんじゃん!
サンタクロース村に来るまでは、サンタに会える?サンタなんて子供のファンタジーじゃん、会うって言っても誰かが演じているだけでしょ、なんて思っていたオイラだったのに・・・今のオイラは、目の前にいるおじいさんを、まさに、リアルサンタクロースとして認識しちゃっている。
ここの<思い込ませる>パワーは凄い。
サンタクロースという、子供の時、誰しもが実在すると思ったことがあるモチーフであるということが大きいとは思うのだが、それにしても、うがった見方をしている心の汚れたオトナでさえも、その気にさせてしまう、この場所の演出は素晴らしいものがあるなぁ、と感心しきり。
ツアー客の中の一人のおばあちゃんなんて、このサンタさんに会えたことで、涙を流して喜んでいたもんな。きっと、サンタさんに会うのが子供の頃からの夢だったに違いない。この年にしてようやくその夢がかなったんだろうなぁ・・・そりゃ、涙を流すほど、嬉しくもなるよなぁ、と、見ているこちらまで、なんだか心が温かくなってきた。
そうそう、実は本日、オイラの誕生日。旅先なんでね、まぁ、別に誰かから祝ってもらうっていうことがないのは分かっていたし、この歳になるともはや、歳をとることがそんなに嬉しいことでもないので、どうでもいいや、って思っていたんですけど・・・せっかくそんな日にサンタさんに会えたのだから、サンタさんから一言もらえたら嬉しいな、って思って、おばあちゃんが泣きながらサンタさんから離れた後、オイラがサンタさんと握手する時、「実は今日、僕の誕生日でして」と言ってみたんです。すると、サンタのおじいさんがニッコリ微笑んで、
「ハッピーバースデー」
と言ってくれたんです。いやぁ、なんかめっちゃ嬉しかった・・・って、そこまでしたんかい、なんだその心の変わりようは、って突っ込まれるのも無理はない。この変わりように一番驚いているのは、オイラ自身だったりするのですから。
いやぁ、やっぱり、何事も来て見るもんだ。こんな心の変化を及ぼしてくれる場所だとは思ってもみなかったよ。時間が空いたから来てみたけど・・・時間が空かなかったらこなかったかもしれなかったなんて・・・うがった見方をして、訪れるべき場所を訪れないのはもったいなさすぎるな、と、名物のサウナに入らなかったり、観光地なるものを訪れることにだんだん億劫になっている自分をちょっと反省。
ちなみに、このサンタクロース村の郵便局には、世界各地からサンタクロース宛の手紙が届いている。各国別に分けられ、大事に保管されていた。もちろん、ココに届いたからといって、その後、手紙の内容に関するリアクションはなされないんだろうけど・・・でも、子供心としては、手紙の出し先がある、ってことが重要なんだと思う。伝えたい気持ちを、受け取ってくれる場所があるっていうのが、サンタクロースファンタジーを、よりリアルなものにしてくれているのだ。
さてさて、フィンランドのファンタジーは、サンタクロースだけじゃない。あの、ムーミンもフィンランドが生んだ、世界に誇るファンタジーキャラクター。サンタクロース村には、そんなムーミングッズもたくさん並べられていた。
いやぁ、サンタさんに思わず感激しちゃったんで・・・最初は、これまた、ムーミンなんて別に(オイラは、スナフキンのファンではあるが、とりたててムーミンに思い入れがあるわけではない)と思っていたのだが・・・ムーミンも、実際に会うとまた違った気持ちが芽生えるのかも・・・うむむ、ムーミンにも会いたくなってきちゃったぞ・・・
ちなみに、ムーミンってかわいらしいキャラになってますが、ムーミンのモチーフとなったトロールという妖精は、あまりかわいくない。どうやってあのトロールからムーミンが生まれたんだろう、と思って調べてみたら、原作者は、ムーミンはトロールじゃないって言っているみたいですね・・・・
さて、結局は、存分に楽しんじゃったサンタクロース村を後にして、ロバニエミに戻る。そして、ロバニエミの駅から電車に乗り込み・・・いざ、ヘルシンキへ。ええ、明日の朝にはもう、フィンランドの下の端、ヘルシンキに到着しちゃうんすよ。フィンランド旅が大雑把すぎるのが、ちと心にはひっかかってはいるんですが、ま、これはショウガナイ。ヨーロッパ旅恒例の、後半戦弾丸旅モードに突入しちゃったんで、ハイ。
|
|
|