Arrive at Helsinki
社会人時代のボスの旦那さん宅へ

2013.9.21 / Finland(~Helsinki) 本日 自転車0km走行 : Total 48534km走行
天気:曇
朝飯→スクランブルエッグ 昼飯→サーモンパリージャ 夕飯→ムイック(シロマスのバターフライ:めちゃウマ) / 宿→カレさん宅

(English)
 I arrived at Helsinki.



 朝、予定時刻通り、オイラの乗った列車はヘルシンキに到着。実は、ヘルシンキでは、とある方のお宅でお世話になることになってまして。とある方とは・・・オイラが、日本で働いていた時、上司だった中村さんの旦那さん。中村さんは、以前にも、アメリカのダラスでお世話になったセスさん夫妻を紹介してくれたり、お互いの都合が合わず訪問は実現しなかったが、ブラジルの知り合いを紹介してくれたりと、オイラの旅当初の頃から応援してくれている人。いやぁ、オイラの自己都合で辞めた会社だったのに、辞めた後も、こんなにいろいろしていただいて・・・ホントありがたい。

 と、こんな感じで、中村さんって人は、世界各国に知り合いが居るという謎のグローバル人。そんな中村さんが結婚されたのは、オイラが会社を辞めようと考える前の話だった。で、その時、お相手の方が、フィンランドの方だと聞いて、フィンランドかぁ、遠い存在だなぁ・・・中村さんがどんな人と結婚したのか、興味あるんだけど、お会いすることなんてないんだろうなぁ、と、その時は思っていたんですけど・・・そんな中村さんの旦那さんに、当地のフィンランドで会うことになるとは・・・人生、ホント、どうなるかわかりませんな。

 それにしても、中村さんが居るヘルシンキ宅に訪問するんなら、全然気が楽なんですケド、ただ今、中村さんは、日本に戻っていて、ヘルシンキには、旦那さんであるカレさんだけとのこと。中村さんとメールのやり取りをしていて「私は今日本に居るケド・・・夫には話してあるから、直接連絡をとってみて(英語でね)」と言われ、まだ顔も見たことのない、カレさんに、「お世話になりますけど、いいですか?」とコンタクト。で、嬉しいことにカレさんから「喜んで」と返信。ということで、今朝ヘルシンキに到着する時間にあわせて、カレさんが、駅まで迎えにきてくれることになっていたんです。

 が、時間通りに到着した列車を降りて、キョロキョロ周囲を見回したのだが、それっぽい人はいない。カレさんの顔をオイラは知らないので、どの人がカレさんなのか判断はしようがないのだが、オイラは自転車旅をしてますってことは伝えてあったので、でっかい荷物を搭載した小さな自転車を脇に歩いているなんて目立つ旅人を、カレさんの方が見逃すはずはない。

 駅構内の別の場所にいるのかも、と駅内をウロウロしてみたりもしたのだが、やっぱりそれらしい反応をしてくれる人はいなかった。うむむ、到着時間を間違えたか、場所を間違えたか・・・とりあえず、なにかあったら、電話してということで、電話番号を聞いてはいたので、電話してみることに。が、オイラは携帯電話なんて持っていない。で、一応駅には公衆電話なるものがあったのだが、妙にハイテクなマシンで使用一回につき、まず5ユーロ入れなければいけないという、ボッタクリ電話だった。まぁ、しょうがない、連絡しないことにはどうにもならないしな、と思ってその公衆電話を使おうとおもったところ、5ユーロはコインでしか受け付けないとのこと(クレジットカードも使えたのだが、スキミング被害にあったばかりのオイラとしては、クレジットカードは使いたくなかった)。札はあったものの、コインはなかったので、両替してもらおうと、売店に行ってお願いしたところ「うちは、両替はやらない主義なのよ」とあっけなく断られた。う~ん、どうしよう、と困っていたら、

 「Can I help you?」

 と一人のおばさんが声をかけてきてくれた。実は、友人を待っているのですが、来ないので、電話したいと思ったんですが、この電話が使えずに困っているんです、と答えたところ、「じゃぁ、私の電話を使いなさい」と、おばさんが携帯電話を取り出して、カレさんの電話番号をコールしてくれた。

 あ~、助かりました。優しいおばさんに出会えてラッキー。

 後で分かるのだが、ヘルシンキの人たちは、おばさんに限らず、皆、優しい人ばかりだった。町観光をしている時、地図を広げるたびに「Can I help you?」って声をかけられたし、オイラ以外にも、困っている旅人が現地のヘルシンキっ子たちに、助けられている場面に何度も遭遇した。

 そうそう、海外ではSIMフリーの携帯電話機器さえ持っていれば、その国ごとに、使えるSIMカードを割りと手軽に入手できるので、オイラのようなぶらぶら旅をしていても、携帯電話を持つことは、実は可能。こういう、人と待ち合わせをする時には、携帯電話はあったらとても便利だと思う。でも、旅中には携帯電話はなるべく持ちたくなくて。携帯電話の便利さは、旅の要素をそぎ落としてしまうような気がするんですよ・・・例えば、もし携帯電話を持っていたら、今回のようなおばさんの優しさに触れることはできなかったワケじゃないですか。持たないからこそ、味わえた旅の醍醐味。

 携帯電話に限らず、あったら便利っていうモノをたくさん抱えて旅しがちなんだけど・・・実は、旅ってのは、ないならないでなんとかなる。そして、ないほうが、<旅>らしい状況を堪能できたりするものだったりするのだ。

 さてさて、電話でカレさんと連絡取れたところ・・・どうやら、昨日飲み過ぎちゃって、寝坊したとのこと。「だって、昨日は金曜日だっただろ?」という言い訳が、ストレートすぎて、笑っちゃった。とにかく、今からすぐ行くから、もうちょっと待ってて、とのこと。

 電話を貸してくれたおばさんに、お礼を言って別れ、しばらく駅構内で待っていたら・・・入り口から、それっぽい人が登場。カレさんだった。

 「はじめまして、お世話になります」

 ということで、連れて行ってもらったカレさん宅。寝床を用意してもらって、シャワーを浴びさせてもらって、朝飯もいただいちゃいまして。あぁ~、今までのワイルドライフから一変。天国のような空間ですわ・・・うん、追い詰められるようなネイチャーライフを経験した後だと、<家>とは、<人を守ってくれている空間>なんだということを、マジマジと実感できる。

 そして、「旅で洗濯しなきゃいけないモノが溜まっているだろ。洗濯機使っていいから、洗っちゃいな」と、言ってくれた言葉に甘えて、服はもちろん、寝袋までを洗う大洗濯大会。いやぁ、ホント、思う存分洗濯させてもらえるってのが、人のうちでお世話になる時のありがたいコトの一つ。ちなみに、一度洗いした寝袋とダウンジャケットは、「まだ匂いが取れていないな」ということで、カレさん判断で二度洗いすることに。う~ん?そんなに匂います?ま、匂いって自分じゃわかんないからな・・・自分じゃ大丈夫だと思っていても、周囲の人は・・・

 さて、その後、カレさんが、ヘルシンキにある公園を案内するよ、と言ってくれ、一緒に自転車で公園散策をすることに。そして、公園内にあった喫茶店で、なんか食べる?と言ってくれたので、ブルーベリーケーキをいただくことに。で、ビール好きなカレさんが、飲み物もいるだろう、と合わせて注文してくれたのは、もちろんビール。ケーキにビール・・・ま、ビールを飲んだのがホント久々だったので、めっちゃ美味かったですけどね。ビールがめちゃ高な北欧では、自分でビールなんて買えやしなかったんで。

 そういえば、公園を走っている時に、カレさんが「向こうから歩いてくるのはロシア人だ」と教えてくれたことがあった。隣がロシアのフィンランドには、ロシア人がよく来るらしい。「日本にも、裕福な中国人がやってきて、観光やら買い物とかしていくだろう。ここもそれと同じ。裕福なロシア人たちが、観光やら買い物をしにきているのさ。週末は特に多いよ」と。

 なるほど、日本に例えてしてくれた説明がわかりやすい。それはそうと、オイラには、フィンランド人もロシア人も同じに見えるんだよなぁ・・・ちなみに、カレさんは、日本人、中国人、韓国人を見分けることができるとのこと。欧米人でそれが出来るのは珍しい。「どこで見分けているんですか?」と聞いたら、なるほど、納得な身体的特徴を挙げ、説明してくれた。

 公園散策の後、カレさんに、ヘルシンキの見所を教えてもらって、オイラ単独でヘルシンキの街探索。久々の都会歩きだったので、テンションあがりぎみ。

 そして、街歩きを終え、家に戻ったところで、カレさんが、晩飯を食べに、近くのレストランに連れて行ってくれまして。カレさんのオススメということで、頼んでもらったのが、シロマスのバターフライだった。これが、めちゃウマで。フィンランドは、レストラン飯も美味い・・・ケド、自分で支払って食べれるシロモノではないよ・・・ノルウェーと比べれば安くなったとはいえ、まだまだ高い北欧物価なんだもん。奢っていただけたことに、感謝感謝。

 さて、食事をしながら、カレさんといろんな話をしまして。カレさんも世界中のいろんなところに旅行している人で、オイラのことを理解してくれる人だった。あの国は面白い、あの国は変だとか、世界各国の話をした後、話は日本のことになりまして。奥さんが日本人だけあって、日本のこともえらい詳しい。というか、オイラ以上に、日本のことを知っていて、日本が抱える問題についての根本的なところを示唆してくれたりした。日本の社会資本の整備水準が高いのは、公共事業のおかげだが、その公共事業費は、ヨーロッパに比べてはるかに高く、それが今の国の財政状況を圧迫している要因にもなっていることとか、日本は民主主義国と思われているケド、実態は全体主義なため、民主主義と言い切るのは語弊がある、とか。いやぁ、日本に関してこれだけ洞察を深めてくれているとは・・・物事を表面だけ見るのではなく、真理を見極めようとする姿勢があり、とてもクレバーな人なんだな、カレさんは・・・なるほど、中村さんが、この人を選んだのも納得しましたよ、うん。














































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