ЛЕНИНГРАДСКОЕ Оптико-Механическое Объединение
ロシアカメラの聖地:ロシアで唯一来たかった場所

2013.9.24 / Russia(St. Petersburg~) 本日 自転車0km走行 : Total 48541km走行
天気:曇時々雨時々晴
朝飯→パン 昼飯→ボルシチ&ロシアン餃子 夕飯→パン / 宿→船中泊

(English)
 I walked around St. Petersburg.



 朝、フェリーは予定通りサンクトペテルブルグの港に到着。フェリーを降りて、まずはロシアの入国手続き。アライバルカードと記入済みのイミグレ用紙半券を提出。デパーチャーカードと残り半分のイミグレ用紙は絶対なくさないように、気をつけて持っていなくちゃ。

 さて、フェリーターミナルを出ると、そこでは、ロシア入国大歓迎という意味合いなのか、楽団のおじさんたちが、音楽を演奏してくれていた。そのおじさんたちの演奏をしばし聴いたあと、サンクトペテルブルグ市内行きの送迎バスに乗り込む。

 ちなみに、フェリー乗り場から市内まではそんなには離れていない。自転車で走れば、あっという間に到着できる距離だ。だったら、せっかく相棒をフェリーに乗せてきたワケだし、ロシアをチャリで走ればいいのに、と思われるところでしょうが・・・ええ、最初はオイラもそう考えていたんです。が、天気予報によると、本日のサンクトペテルブルグの天気があまりよろしくないらしくて。雨の中のチャリ走りは、やりたくない。もう寒いし。

 ということで、結局、相棒はフェリー内に待機してもらったまま、オイラだけ、サンクトペテルブルグに行くことにしたんですよ。で、乗り込んだ送迎バスが、市内に辿り着き、いよいよサンクトペテルブルグ探索開始。

 と、いや、サンクトペテルブルグという街自体にあまり興味はない。確かに、タマネギ屋根のロシアっぽい建物がそこらへんい建っているのが新鮮ではあるのだが・・・

 昨日の日記に書いたとおり、サンクトペテルブルグでは、絶対行きたい場所が、一つあるだけなんですよ。

 分かった、エルミタージュ美術館でしょ、有名だもんね・・・と思われた方、残念。オイラの行きたい所ってのは、全然有名なんかじゃない。というか、普通の人は誰も知らないと思われる場所。一部のカメラマニアの人だけが、「ああ、あそこか」と思ってくれる場所なのだ。

 一部のカメラマニア・・・ええ、カメラ関係の場所なんです。オイラがカメラ好きなのは、この旅日記を読んでくれている人なら、薄々お気づきでしょう。で、オイラをカメラ好きにしたキッカケとなったカメラがありまして。それが、LOMO LC-Aというロシア製の単焦点コンパクトフィルムカメラだったんですよ。このLOMO LC-Aは、一時日本でも知る人ぞ知るトイカメラブームを引き起こしたカメラでして。そうそう、今のデジタルカメラには、カメラエフェクトとして<トイカメラモード>なるモードが組み込まれているものが多いと思うのですが、このモードで撮影した時の<四隅が暗部になる>というエフェクトは、LC-Aで撮った時に、自然にそう写ってしまう光学的な現象をデジタル化して模擬的に再現したもの。

 このLC-Aがきっかけとなり、トイカメラと呼ばれるプラスチックレンズの<Holga>や<Diana>、LC-Aと同じくLOMO製の<Lubitel>という二眼カメラ、視野角120度を一度に撮りきれるパノラマカメラ<Horizon>などを買って、しばらくはそれでお遊び写真を撮り続けてたオイラ。そして、トイカメラで撮るお遊び写真に一通り満足した後、今度は、ロシア製レンズの焦点距離8mmの超魚眼レンズや、300mmの超望遠レンズなどに手を出して、一眼デビュー。本体はCanonのEOSを買ったんだけど、レンズはロシアンレンズばかりを使ってた。マウントが違うレンズも、アダプターをかまして、つけたりして。で、写真撮影技術はもちろん、カメラの機械としての仕組みにも興味を持ち始めて・・・こうして、ズブズブとカメラの世界へとハマッていったんですよ。

 で、こうなるキッカケを作ったLC-Aを作ったのが、ロシアの光学機器メーカー、レニングラード光学器械合同。LOMOとは、レニングラード光学器械合同を意味する<Leningradskoye Optiko-Mechanichesckoye Obyedinenie>の略。

 オイラにカメラのキッカケを作ってくれたLOMO本社。ロシアカメラの総本山。ここは、旅中に絶対訪ねたい場所だった。サンクトペテルブルグは、旧レニングラード。レニングラードに本社があったLOMOは・・・今も、サンクトペテルブルグにあるらしい、と、そんな情報を聞いていたオイラは、LOMO本社を訪れるためだけに、サンクトペテルブルグに来たってワケ。

 で、事前に、ググッてLOMO本社の場所を確認。Lomo PLCという会社名のホームページがヒットして、そこに、<20 Chugunnaya St. St. Petersburg, Russia>と住所が書かれていた。で、その住所をGoogle Mapで検索して、場所を特定。サンクトペテルブルグ市内の中心からは外れているけど、歩いていけない距離ではなさそう。

 場所をメモした地図を片手に、LOMO本社へと向かう。途中、やっぱり雨が降り始めたりして大変だったのだが、道自体は迷うことなく・・・到着。

 建物に、でっかくキリル文字で<LOMO>と記されているのを見たとき・・・オイラのテンションはマックスに。

 この興奮、こんな場所で興奮する人はそうそういない、と思う。

 でも、人ぞれぞれ、思い入れの場所ってあるじゃないですか。

 誰も知らない場所であったとしても、自分だけは<記憶によって想いを揺さぶられちゃう>場所。

 ここは、まさに、オイラにとって、そういう場所なんですよ。

 このLOMOの文字をバックに写真を撮りたいっ、ということで、道を歩く現地のおじさんに、「これをバックに僕の写真を撮ってください」とお願いしたところ、「?こんな場所で?」と怪訝そうな顔をしながらも、素敵な写真を撮ってくれた。

 う~ん、満足。

 え?これで満足なの?中に入っていろいろ見せてもらったりはしないの?ええ、実は、現在のLOMOは、民生カメラの製造は終了していて、現在は、軍事用のレンズとか、業務用の光学機器しか扱わない会社になっちゃったらしいのですよ。なので、中を見せてもらうのは、厳しいだろうなぁ、と思い、見学の連絡とかはしてなかったんです。ひょっとしたら、事前連絡したら中を見せてもらえたかもしれないんだけど・・・オイラが興味あったのは、民生カメラのLOMOなんで。軍事用のレンズの製造過程を見ても、ピンとこないじゃないですか。

 ま、ココに来たのは、聖地巡礼ってことなんで。とにかくオイラ的には満足したんで、いいんです、ハイ。

 で、その後は、ゆっくりノンビリと、サンクトペテルブルグの町並みを散策。といっても、ただ町をブラブラ歩くってことには、すぐ飽きちゃいまして。ロシアに興味がない・・・っていうか、街を歩くってことに興味がなくなってきた今日この頃のオイラ。で、公園のベンチで座ってボ~と、休んでいたら、目の前の木の下で、小さな子供が二人、何かを拾っていた。なんだろう、と思って近づいてみると、木から落ちた栗っぽいものを拾っているじゃないですか。いや?ん?これ、栗?実はどう見ても栗なのだが、周囲にイガイガがない。ロシアの栗にはイガイガがないのかいな?と思いながら、いくつか拾うオイラ。で、その拾った栗を、子供達にあげたところ・・・「スパシーバ!」って言って喜んでくれた。スパシーバ・・・ありがとうという意味の、オイラが唯一覚えたロシア語。うん、街歩きは飽きたって言ったけど、こういうやり取りは、いつまでも楽しいものだ。

 子供達とお別れした後、カフェレストランに入って、ロシア料理を食べることに。とりあえず、ロシアのスープであるボルシチは頼むことにして、メインを何にしようかなぁ、と思っていたところ、<トラディショナルフード>なる文字を発見。何が出てくるのか分からなかったが、まぁ、地元料理ならなんでもいいや、地元料理を食べるってコトに意義があるのだから、と思って頼んだところ・・・

 なんと、餃子みたいなのが出てきた。

 ピエロギというミートボールを小麦粉で作った皮で包んで煮たものだ。これにヨーグルトがかけられて出てきた。食べてみると・・・まぁ、味は普通。しかし、餃子風のものに、ヨーグルトをかけて食べるってのが、オイラにとって斬新だった。

 いやぁ、しかし、まさか、こんなところで、餃子に似たものに出くわすとは・・・いやぁ、自称餃子博士として、知らなきゃいけないことは、まだまだ世の中にはあるってこった。こういうことがあるから、旅はやめられない。

 さてさて、そんなこんなで、見るべきところを見たか?と言われると、そうでもないのだが、目的は十分に果たし、オイラ的には、十分満足する滞在となったサンクトペテルブルグ。市内から再び送迎バスに乗り、フェリー乗り場へ。そして、問題なく、ロシア出国手続きを終え、フェリー乗船。

 あ~、楽しかった。

 ヘルシンキからフェリーに乗っての、ビザなしロシア半日旅行。ロシアにちょっとだけ興味ある人には、オススメですよ。


























































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