Good riding today
今日は順調-そして、ポーランド人と川下りをしてて見えてきた日本人の特質について

2013.10.2 / Poland(Opatowiec付近~) 本日 自転車0km走行 : Total 48601km走行
天気:晴のち曇
朝飯→キャンプ飯 昼飯→キャンプ飯 夕飯→キャンプ飯 / 宿→川辺で野宿

(English)
 We went down a river in a kayak.



 朝起きて、まずやる仕事は落ち木拾い。川沿いの砂地には、川を流れてきた木々があちこちに落ちている。それらを大量に集めてきた後、まず小さくて細い木々で櫓をようなカタチを作り、枯葉を交えて火をつける。かすかに点いた火が消えないようにして、徐々にサイズが大きな木々を足していく・・・

 最初は苦戦していた焚き火の火のつけ方も、だいぶ慣れたものになってきた。

 火が安定したら、火の周りに昨日乾かしきれなかったものを置く。フニャフニャになったトイレットペーパーなどを乾かしながら、オイラ自身も温まる。

 そうこうしていたら、ロベルトが起きてきたので、朝飯準備開始。今日の朝飯は、ヌードルスープとパンとチキンペースト。パンは当初、水没して濡れたパンを乾かして食べようとしたのだが・・・乾く前に表面がクロ焦げになってしまった。一応、表面の焦げをとってから、かじって食べてみたのだが、乾いているのは、表面のちょっとだけで、中はまだまだ湿りけたっぷり。食べても全然、おいしくない。しょうがないので、水没パンは諦めて、新たに買ったパンを取り出す。で、一通り食べたのだが・・・まだちょっとお腹が空いている。昨日、後半はがっつりカラダを動かしたからさ。そして、今日ものがっつりカラダを動かさねばならない。ということで、再びお湯を沸かしながら、おばちゃんから買った卵でゆで卵を作ることに。新鮮で濃厚な卵で作ったゆで卵は、めっちゃ美味かった。

 朝食後、テントをたたんで、出発。カヤックを川に着水し、荷物を積め、乗り込んだ後、パドルを使って川底をプッシュして、岸から離れる。岸から離れたところで、漕ぎ始める。昨日、ロベルトから漕ぎ方を習ったものの、まだまだぎこちないオイラのパドル捌き。しかし、ぎこちないながらも、やっぱり自分で漕ぐカヤックは楽しい。

 ちなみに、今下っているビスワ川、川の両岸ともに、町があるため、川を挟んでの車の往来とかはあるはずなのだが、橋がかかっていない。この川を渡る交通は、渡し船があるだけなのだ。しかも、見ていたら、この渡し船が、結構な頻度で、往来する車を運んでいる。こんなに渡し船を動かすのなら、橋を作っちゃった方が、効率的なのでは?と思い、ロベルトに「なんで橋を作らないの?」って聞いたところ、「橋なんて必要か?」と逆に問われた。

 日本人的発想では、こういうところには、橋があるのが当然なのに、ポーランドでは、橋はなくてもあたりまえ。この感覚的な違いは興味深い。

 まぁ、「橋を作るお金がない」ってのが作らない大きな要因ではあるようだ。橋を作るお金よりも、毎日船を動かすオイル代のほうが、安いと考えられているらしい。日本だったら、「橋があると便利?だったら作りましょう」と、政府が借金してもインフラとして整備しちゃうのに・・・

 さて、午前中は雲が多かった天気も、午後になったら、雲が切れ、太陽が覗いてきた。テンションがあがる。漕ぎ方が慣れてきたってのもあって、カヤック川下りがどんどん面白くなってきた。

 カヤックは自転車旅に似ている。両方とも自力で進むっていう共通点があるのが、そう思わされる大きな要因だが、自然の中をマイペースに進んでくのとか、自転車旅で感じる感覚に非常によく似ている。

 チャリダーの人は、カヤックに絶対ハマりますわ。

 さてさて、途中、一休みできそうな砂川岸を見つけ、上陸。ここで、昼ごはん。すぐに、木々を集め火を起こし、お湯を沸かす。火をすぐに起こすのは、料理用というよりも、暖をとるため。午後になって、再び雲が増えてきて、太陽光があたらなくなったら、すっかり冷え込んじゃいまして。じっとしていると、猛烈に寒い。焚き火がなければ、落着いてランチタイムを過ごせやしないのだ。

 午後からの寒さにはちと参った部分もあったのだが・・・今日の川下りは、万時順調だった。身軽になったから、漕ぐのも楽だし、進みも速い。やっぱり、最初から荷物を減らして挑めばよかったんだよ・・・と思うのは、まぁ、あの事故を経た今だから思えるんだよね。あの事故がなければ・・・自転車はレストランに預かってもらったとは思うのだが、その他の荷物は全部もってきてたかも。そしたら、常にヘビーなカヤックを操ることになり、今みたいな軽快感は味わえなかっただろう。ま、こういう事故ってやつは、必然として起こるんですよ。フランスでの荷物盗難事件の時もそうだったんだけど、「荷物を軽くしなさい」という旅の女神様からの指令なんです、多分。

 ということで、今日は結構な距離を下ることができ、やりきった感満載で、夕刻を迎えることができた。日が暮れる前に、テントを張るのによさげな川辺を探し、上陸。テントを張った後、木々を集めて火起こし。最初はめんどくさかった木々集めも、何度もやっていくうちに、めんどくさくなくなってきた。使える木、使えない木が分かるようになってきたし、どの辺に行けば使える木が集められるか、という勘が働くようになってきたから、効率よく木々が集められるようになってきたからかも。

 そして集めた木々で火起こし。今晩も火起こし当番はオイラだ。で、集めた木々で火を起こす時、後で、網を乗せ、鍋を乗せることを想定して、その際に、使いやすくなるように、<かまど>っぽい造りにしてから、火を起こしたほうがいいじゃん、と思うオイラ。何度も火起こしをやっているうちに、工夫すべきポイントが分かってきたので、それを踏まえて、それっぽく工夫したカタチの<カマド>を作ってから火を起こしていたら・・・

 それを見たロベルトが「ヨシ、素晴らしいカマドだ!俺が作るのとは大違い。なるほど、分かった、これが、ジャパニーズとポーリッシュ(ポーランド人)の違いなのか!!!」と大興奮。早速、電話を取り出し、奥さんのドミニカさんに電話をかけ「聞いてくれ、今晩、ヨシが素晴らしいカマドを作ってだな・・・」と報告までしはじめちゃった。

 うむむ、オイラとしては、どうせ火を起こすのなら、適当にやるよりも、料理をする時に、やり易いようにと、ちょっと工夫してみただけだったのだが・・・この<ちょっとした工夫>が、日本人ならではなのかもしれない。日本人がつくる製品のよさは、日本人が意識しないながらもやっている<こうしたほうが便利じゃん>という一工夫にある。この<一工夫>ってやつは、実は、他の国の人たちはあまりやらないものなのだ。

 ・・・ということが、かまど造りから浮かび上がってきた。異文化と接することで、自分の中ではあまり意識していなかった<日本人らしさとは>という意識が、浮かび上がってくるようになる。

 異文化体験の面白さとは、異文化を知ることではない。異文化体験を通じて、改めて、自分の中にある<日本>に気づく、ってことが面白いのだ。












































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