Left hand
左手も矯正/タブラ修行87日目

2015.11.10 / India(Varanasi) 本日 自転車0km走行 : Total 57751km走行
天気:曇 ネット:1
朝飯→サンドイッチ 昼飯→ウッタパム 夕飯→スパニッシュオムレツ / 宿→Joti Cafe(ダブル300ルピー)

(English)
I stayed in Varanasi.



 これまでずっと右手ばかり直されてきた。左手も結構重要だと思っているのだが、師匠は左手に関してはほぼ何も言わない。オイラ的には、右手はだいぶいい感じで叩けるようになってきて、スピードも徐々に出せるようになってきたのだが、左手がそれにおっつかなくなってきていて、左右合わせてスピードを上げて叩くと、妙にズレるのが気持ち悪くなってきた。

 そこで、昨日から自分で左手を矯正開始。ゲの音を高速で出せるようにするため、人差し指と中指&薬指の交互叩きをひたすら繰り返す。こういうひたすらやる練習、ようやく意味と効果が分かるようになってきた。というか、ようやくこの練習が意味と効果を持つようになってきた。これまでは、正しい型ができていなかったし、叩ける体ができていなかった。その状態でひたすら繰り返す練習をやっても意味はない。よく、「まず基礎を固めるために、ひたすら繰り返せ」と言われることがあると思うのだが、これは、本当の基礎ができていない人には効果がないのだ。ある程度基礎がある人にとってのアドバイスでしかない。語学習得とかでもそうだ。ひたすらラジオを聞けとか言われると思うのだが、これは、本当の初心者がやっても無駄。ある程度基礎の基礎をやってからやらないと、なんにも身につかない。

 タブラーもそうだ。前回、師匠と同じフレーズを1時間叩き続けるというレッスンをしばらくやったが、あれは、手の動きの訓練としては意味はなかった。ただ、「それくらいやらないと身につかないぞ」という意識改革の訓練としては意味があったと思う。実際、オイラはあのレッスンをやってから、太鼓に向かう姿勢が真摯になれたと思う。ただ、あれをやったから太鼓が上達したか、と言われると、疑問だ。

 だが、最近、ちゃんとした型が分かってきて、さらに太鼓を叩く体にもなってきた。この状況で繰り返し練習をすると、その効果をものすごく感じることができる。1時間繰り返すと、叩けなかったものが叩けるようになっているのだ。これは結構ビックリ効果。師匠が「これは毎日1時間やれ」というフレーズがあるのだが、以前はそれの意味が分からず、結局言われてもやらずじまいだったのだが、ようやく師匠の言っている意味が分かり、毎日やれと言われたフレーズは毎日やるようになった。というか、以前は、やっても意味がない状態だったんですよねぇ。

 さて、話を左手に戻そう。とりあえず、指を強化することにした後、スヤヒ(タブラの皮の黒い部分)の上を手のひらでスライドさせる奏法も復習することに。実はこれが一番問題だと思ってまして。なんかやってて気持ち悪いんですよ。なんでか分からないんだけど、しっくりこない。で、これに関しては、いい音が出せないからかなと思って、叩く場所を変えてみたり、いろいろ探ってみて、抑え込みのパワーが足りないからかなという結論を自分では出して、昨日は就寝。

 で、本日11時からのレッスン。まずは、左手の動きを確認すべく、ゲゲゲゲやっていたら、師匠が「左手はこうだ」と久々に左手の動きを教えてくれることに。スヤヒの上を手のひらでスライドさせる奏法は、実は2種類あるということが判明。いや、正確に言うと、もう一つの奏法はスライドはさせない。けど、スライド奏法と同じように音程を変える面白い奏法だった。

 さて、今日はインドでの新年であるデュワリの前日。師匠のお宅でも、デュワリ用のお祝い飯を振る舞ってもらえた。今日は、そんな飯を食ったりしながらのノンビリムード。「今日と明日は、まぁ、ノンビリな」と師匠。ということで、新しいフレーズは前回のディナゲナパターンのロングバージョンをやっただけ。つまり、フレーズ的には何も新しいものは習っていなかったのだが・・・左手を意識しはじめたら、前回まで叩けたものが叩けなくなってしまっていた。

 今までスライド奏法をやった時、左手を片方スライドしかさせなかった。つまり手を前方にスライドさせた後は、オイラ的には全く左手を意識せず、そのまま次のフレーズを叩いていたのだ。なので、その後叩く場所は、定常位置とはズレたところを叩いてしまうことが多かった。それがいけなかったのだ。スライド奏法は、前方にスライドさせるだけでは終わらなかったのだ。ちゃんと後方にもスライドし、定常位置に戻すところまで意識してやらねばならなかったのだ。そういえば、一番最初に師匠に習った時、そう言われた気がする。なのに、自己流に勝手に解釈して、引き戻しをいい加減にやってしまっていたのだ。

 引き戻しをちゃんとやるようにしたら、音も変わった。そうそう、求めていたのはこの音だ。今までなんか気持ち悪かったのは、この音が出せなかったからなのだ。やっと分かった。しかし、いつまでたっても矯正作業ばかりだな。最初から正しい型を叩いていれば、こんなことにぶち当たることはないのに・・・と思いつつ、最初から正しい型を叩けないから、修行しているのだ。最初から正しい型を叩ける人は、修行なんて必要ない。オイラの場合は、直されるために、ココにいるのだから、むしろ、師匠に毎日直されるのは、光栄に思わないと。しかし、ずっとこれがずっと続くと、ちょっと気持ちは凹んでくる。

 それにしても、このスライド奏法における引き戻しを、修正してやるようにしたら、一気にフレーズが締まって聞こえるようになった。正しい型で叩くと、音の締まりが違う。

 新しいフレーズは習わなかったけど、それ以上に大きな修正をやったのが、本日のレッスン。

 それにしても、最近、これまでとは違う世界が見えるようになってきた。みんな実はこんな世界を見ているのか?こんな素敵な世界があるのなら、早く教えてほしかったよ。今までオイラは、無明の世界しか見えてなくて、それでモヤモヤしていたのだから。

 さて、今日はデュワリ前日ということで、町が盛り上がるかと思ったのだが・・・意外と、町はいつもどおり。デュワリは光のフェスティバルと言われているように、いつもより、イルミネーションが派手になってはいるのだが、それくらい。いや、大音量の爆竹が鳴るようになったり、デュワリ用のお供え物グッズなどが売られるようになり、それっぽくはなっているか。まぁ、日本も年の瀬だからといって、そんなに大きく変わるワケじゃないしな。




























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