Like a Puzzle
まるでパズル/タブラ修行91日目

2015.11.14 / India(Varanasi) 本日 自転車0km走行 : Total 57751km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→サンドイッチ 昼飯→から揚げ定食 夕飯→フライドライス / 宿→Joti Cafe(ダブル300ルピー)

(English)
I stayed in Varanasi.



 やはり風邪だ。体がだるい。全てのパワーが喉の治療にまわっていて、他で力が出せない状態だ。こういう時は、安静にして、喉の治療パワーをフル稼働させたほうがいい。そうすれば治りは早い。ということで、寝ていたかったのだが、精神的に寝ている状態ではない。タブラがやりたくてしょうがないのだ。だから目が覚めちゃう。起きちゃう。まだ風邪の状態が酷くはないので、動こうと思えば動ける。・・・が、そうやって初期段階で、無理しちゃうから風邪がひどくなっちゃうってのは分かっているんだけどねぇ・・・

 さて、11時。レッスン。行ったらヤスさんが、師匠の足をマッサージしていた。その間、オイラは練習フレーズを叩く。ダダテテの最初に習ったフレーズだ。今はちゃんと叩けるようになった。が、習った当時ことのを振り返ると、全くダメダメだったよなぁ、と思う。あの頃はイケてるって自分では思っていたんだけども。実際、見学に来たサンディが「すごくよくなっているじゃないか」と驚いていた。「以前とフィーリングが全然違うだろ。今のフィーリングが大事。それがタブラを叩くってことなんだよ」と言ってきた。確かに、以前とは違う。前は、とりあえず叩いているって感じで、全くコントロールしている感がなかった。今のヤスさんの練習がそんな感じ。ヤスさんが叩いているのを見ると、ああ、オイラも前はそうだったよなぁ、ってすごく思う。それに対して、今のオイラは、だいぶコントロールしてタブラを叩けるようになってきた。正しい型でやるよう心掛けているから、動きがスムーズ。それを見て、サンディが変わったと思ってくれたんだろう。

 とりあえず、ココまでこないと基礎編は終わらせてはいけないんだと思う。応用編突入とかいろいろ日記には綴ってますケド、結局、ココまでが基礎編なんすわ。今日やっとナの音がちゃんと出せるようになったし。この状態になったらようやく独り立ちできる。前回、あの状態で、タブラ修行を止めていたら、他の打楽器同様、他の楽器よりはちょっとは出来るケド、出来ないけど知っている状態のままだった。この3週間の修正を経て、ようやくタブラを叩くとは、が体感できた。この3週間、実は新しく習ったことはそんなにない。師匠が言ったことは、ほぼほぼ前回の時に言われていたことの繰り返しだったのだ。つまり、確かに前回で、習うべくことは習っていた。そういう意味では、基礎編は終わっていたのだが・・・オイラの中で消化不良だったのだ。それを個人練習でやる、と思っていたし、これまでの他の打楽器もそういうつもりで修行に取り組んできたのだが、やっぱりその修行方法ではダメだったのだ。基礎編で習うべくことを習った後、それが体に染みつくまでは、師匠の下を去ってはいけなかったのだ。一旦距離を置くのはいい。だけど、そんなに間をあけることなく、戻って再開するってのが非常に重要なのだ。これをしないと、結局、身につかない。基礎が身についていないのに、習ったことを個人練習でやるなんて、おこがましいのだ。3週間くらい、同じことを言われ続け、修正されまくって、ようやく出来るようになる。この修正がなければ、結局身につかない、ってことが痛いほど分かった。

 もちろん、これから先も直され続けるだろう。だからこそ、師匠は5年通えと言うのだ。師匠が5年は必要とか、毎日このフレーズを30分は叩き続ける練習をしろとか、タブラは毎日5時間叩けとか、最初はそんな無茶なと思っていたんだけど、やっぱり、それくらいやらないと出来るようにはならないのだ、ということがようやく分かってきた。

 さて、今日も昨日に引き続き、マディヤのスピードでのフレーズ叩き。教えてもらったフレーズは、以前どこかで習ったもので、新しいフレーズではない。これ、以前習いましたよ、と思ったのだが、今日のポイントは、フレーズが新しいかどうかではなかった。このフレーズをどうやってリズムに組み込んでいくか、ということを教えてくれたのだ。

 このフレーズは6拍フレーズだった。フィルイン的なフレーズなので、普通に叩く場合、16拍リズムの中で、最後の6拍、つまり11拍目の頭から叩き始めると、ちょうどいい。まぁ、これは分かる。

 で、次に、このフレーズの応用として3回繰り返すチャクラダールに展開するとする。6拍フレーズを3回繰り返すので、18拍フレーズとなる。となると、16拍リズムの中で、4拍前の小節から叩けば、ちょうど次の小節の終わりで終わる。つまり、13拍目の頭から叩き始めることになる。これも、これで分かった。

 で、これで終わりだろうと思っていたんですが、師匠はさらに、このフレーズを発展させるという。チャクラダールのチャクラダールにするというのだ。つまり3回繰り返したフレーズを、さらに3回繰り返すというのだ。

 これは、さすがにただ9回繰り返しても音楽的ではないということで、最初に3回繰り返した後、1拍休符を入れて区切り感を出すことに。ということで、フレーズ的には、6拍フレーズx3x3+2拍で、全部で56拍、16拍リズムを4回繰り返すのと同じ拍数になるのだ。つまり、16拍リズムの頭から叩けば、自然と終わりが合うということ。

 まるでパズルですわ。インドのリズムはこうやって作られているとは。勉強になります。しかし、こうやって頭で論理的に構築されていくリズムパターンではあるが、実際に叩く時には、思考なんてしない。あのパターンだから、ここから叩き始めるとかいうのは、もう、自然に体からでるようにしておくのだ。そのためにひたすら練習して、体に叩き込む。「リズムは待ってくれない。考えていると取り残される」

 さらに、また一つ叩き方を直された。ダーティラキタタカパターンのキタタカのタは中指で叩くのだ。最近はこれをスライド奏法で叩くように叩いていた。そうではなく、基本の型を崩すことはなく叩けとのこと。いやぁ、また自分勝手に解釈して間違ってしまっていた。直してくれる師匠がいるから、なんとかなっているけど、自分だけだったら、どんだけ道を外れてしまっていたか。というか、今まで師匠がいなくて、自分勝手にやっていたから、大きく道を外してしまっていたのだ。そう、これまでのタブラ修行は、この外れてしまった道をとにかく戻るって作業に、時間を費やしているだけなのかもしれない。ここから、ようやく正しい道を歩いて行く、本格的な修行が始まる気がする。

 その後、ようやく師匠にお昼ご飯のお呼ばれされることに。今回お呼ばれするのに3週間かかっちゃったな。それにしても、相変わらず、師匠のお宅の飯は美味い。

 さて、食後、もうちょっと練習していこうと思ったら、サンディが叩いていた。で、そのサンディから新しいリズムを習うことに。オイラがだいぶ叩けるようになっているから、コイツにそろそろ教えてもいいか、と思ってくれたのかも。それはそれで、嬉しい。全く新しいパターンではなく、ケシャヴ師匠に習ったフレーズの組み合わせだったので、教わっても、早く呑み込める。以前は何をやっているか全くわからなかったのだが、初見で、何をやっているか、分かるようになってきた。う~ん、成長しているな。

 そして、宿に戻ってからも、ひたすら練習。そこで、ようやくナの音の叩き方が分かった。もう何度目になるか分からんが、とにかく、今度こそ、本当だ(笑)

 さらに、ようやく、体の力の抜き方なるものも、なんとなくわかってきた。そして、師匠が言う毎日30分は叩けというフレーズ指定。これは、手の動きのトレーニングのため必要。さらに毎日5時間はタブラを叩けというのは、それくらい叩かないと、リズムが体に馴染まないということ。いろいろ分かってきたよ。

 あ~、風邪気味なんだけどな。今、タブラが面白すぎて、休んでなんていられない。




最新日記に戻る