(English)
I stayed in Varanasi.
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今日も11時からレッスン。<ナ>の音を叩く時、手首を回転するやり方が最近定着してきていて、これはこれでアリな叩き方なのだが、もう一つ、師匠に最初から言われている、<指だけで叩く>っていう方法もありまして。それで、師匠に、そっちの叩き方もやってみろと言われたんですが、指だけの方は、相変わらず叩けない。手首を使うやり方に慣れてしまったから、指の動きをないがしろにしていたんですよ。指が固くて動かないのだ。
手首の方がなんとか動くようになったら、次は指か・・・オイラの体は、どんだけアンコントロールだったんだってことですねん。っていうか、太鼓を叩くのに、こんなにも、手の各部を自由にしていかねばならないとは。いや、手をコントロールできる状態にしなくちゃいけないってのは、分かっていたんですよ。でも、どうやればいいか分からなかった。ちょっとやっても、効果が見えなかったから、投げ出していた。結局逃げていたんですよねぇ。Good Enoughtな状態でいいじゃないか、という甘えに。
でも、極めたい気が消えないのであれば、いつか、この甘えから離れなければならない。逃げてちゃダメなのだ。人間、つい、自由でいることに逃げてしまう。そちらの方が居心地がいいから。でも、居心地がいいのが幸せってワケでもない。っていうか、自分が逃げていたってことに気づかなかったのが、オイラの敗因。自分が逃げていることを自覚していれば、まだ対処の方法があっただろう。オイラの場合は、そこに無自覚だったのだ。
君は逃げていただけだよ、と気づかせてくれたのが、タブラ修行だった。というか、逃げ場がないところで、しばらくやり続けねばならないという環境がそれに気づかせてくれたのだ。
さて、今日のレッスンは、先週末から始まった10ビート。今日は10ビートのトゥクラを3つほど習ったのだが、これは16ビートティンタールのフレーズとほぼ同じ。叩くフレーズを6拍分減らして調節しているだけ。なんだ、簡単じゃんと思いきや、これが、逆に難しい。フレーズを16ビートで覚えちゃっているから、ノリを10ビートで叩きづらいのだ。師匠に「16ビートのつもりで叩いているだろう。それじゃダメだ」とダメだしされる。
さらに、そのトゥクラの中に<ゲゲテテ>パターンがあったのだが、このフレーズのゲゲの左手がイマイチ。これも、原因を探っていくと、左手も、指関節から曲げる叩き方を怠ってきたということが判明。手首だけで叩いちゃっていたのだ。ということで、左手も、指関節を曲げる訓練が必要。
ふ~、次々と自分の体のアンコントロールな部分が明らかになっていく。
まぁ、一昨日の日記に書いたように、体がコントローラブルになればなるほど、自由度が増す。ん?自由な方向にいくのは、逃げではないのかい?と思うかもしれないが、これは、逃げではない。解放なのだ。この逃げと解放の違いが、これまた難しい。
さらに、体の力を抜け、とまたまた、師匠に言われた。これも、最初から言い続けられていること。だいぶ意識できるようになってきたが、まだ力が抜けきれない。というか、無意識状態だと、結構力が入っちゃっているものなのだ。力はむしろ、意識しないと抜けないものだったのだ。こういうことも、毎日少しづつ気づいていくしかない。いやぁ、できるようになるまで、時間がかかるわけだ。
さて、昼飯をごちそうになり、ちょっと練習した後、師匠と共に、タブラファクトリーへ。今日は、持ち運び用のタブラの相談をしに。いやぁ、インドの後も続く旅に、タブラを持ち運ぶのは、一旦諦めたんですよ。なんてったって、重いしかさばる。タブラを持ち歩いて旅したこの半年、タブラがなければどれだけ旅しやすかったことか。で、日本までの最後の旅を満喫するためにも、タブラは持ち運ばないと決めたのですが・・・
タブラがどんどんできるようになってきて、面白くなってきているし、師匠から「1カ月練習をさぼったら、叩けない体に戻るぞ」と脅されまして。これは、やっぱり、タブラを持ち運ぶしかないか、と。が、これまでの重いタブラとデカいバヤンを持っていくのは、ない。しょうがないから、新しく軽くて小さいタブラセットを買わねばならんな、と思っていたところ、師匠が「最初に買ったタブラ、あれを削ってもらって作り直せば、もっと軽くなるぞ」というアドバイスをもらいまして。なるほど、その手があったか。そしたら、タブラが無駄に増えることもなく、お金も節約できる。ということで、初代タブラセットをファクトリーに持って行って、改造してもらうことに。
が、初代タブラは、すでにギリギリまで中がくりぬかれていたことが判明。これ以上くりぬくと、皮を張る圧力でボディが壊れてしまうとのこと。ということで、結局新しく作ってもらうことに。で、バヤンの方も、小さくて軽いやつを作ってもらうことに。が、下取りとして、初代タブラセットを引き取ってもらうことができまして。お値段のほうはだいぶ安くすむことなってよかったよかった。
一応、最初の修行時代に使い込んだタブラセットだったから、愛着があり、以前のオイラだったら、それはそれでとっておいて新たなタブラを買ってたんだろうけど・・・こういう「とりあえず、とっておく」という発想は、よくないということに、旅で気づいたオイラ。手持ちのモノを手放すってことに、抵抗を生じさせるのが、人間の生来のアプリケーションなのだが、これに縛られると、モノ持ちになるだけ。人生は断捨離が大切なのだ。それを振り切る術をようやく身につけ、モノ持ちから脱しましたよ、ハイ。
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