(English)
I stayed in Varanasi.
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朝、タブラを叩くと、音が響かない。音が死んでいた。なので、スヤヒのところを電球でこする。こうすることで、音の響きが戻ってくる。最近、毎日これをやっている。音が死ぬ原因はスヤヒが湿っぽくなってしまっているから。どうやら、オイラの手が汗っかきなので、すぐにスヤヒが湿っぽくなってしまうようなのだ。が、それだと、朝になって音が死ぬ原因が分からない。たぶん、手の脂なんだと思う。それがこびりついちゃってて。夜になって寒くなると固まるからそれがスヤヒに悪影響を与える。で、それを電球でこすって摩擦で溶かすと直るというのではないか、と。やっぱり、練習後、夜寝る前に手入れをしておく癖をつけないといかんな。
さて、11時。今日もレッスン。デラデラパターンがスヤヒに手のひらを押し付けるパターンなのだが、これをやるとすぐに、タブラの音が死ぬ。汗をかきやすい手のひらを直接スヤヒにあてちゃっているからだろう。おかげで、最近デラデラ恐怖症だ。今まで、練習中はなんとかごまかしてやってきたのだが、今日は師匠に「音を直せ」と言われて、電球を使ってのスヤヒ擦り。う~む、音がダメになる頻度が上がっているような気がする。
前回のタブラも、こんなに音がダメになっていたんだっけ?いや、実はダメになっていたのかも。ただ、前回は気づかなかっただけなのかも。毎日6時間くらいタブラに触っていたら、そりゃ、手の脂もつくでしょう。とりあえず、対処法が分かっているからいいか。しかし、こうも、頻繁に音がダメになるのはなんとかしてほしいな。タブラって楽器は、デリケートすぎるよ。
さてさて、今日は三連のフレーズを教えてもらうはずだったのだが・・・今日は、インド人のお弟子さんが二人見学しにきてまして。その人たちがいたからか、師匠のテンションがちとあがり、昨日の続きのJaptaalのフレーズで、難しいやつを教え始めた。あとで、師匠に聞くと「うん、今日は三連だってわかっていたんだが、気分がJaptaalだったんで、つい」と言っていた。まぁ、いいんです、いつか教えてもらえれば。
さて、その中の一つのフレーズが、これまで叩いたことがなかった手順だったので、ちと苦労。ランチ後も必死になって練習していたら、師匠がやってきてくれ、コツを教えてくれた。なるほど、フレーズの切り方の問題か。10拍のフレーズを4/4/2で切っていたからワケワカランことになっていたのだ。3/3/3/1で捉えなおしたら、一気に分かりやすくなり、叩けるようになった。
さて、その後、しばらくオイラの練習を見ていた師匠。おもむろに立ち上がり、「ナの音はこうするといい」と指摘。いやぁ、<ナ>の音、自分では出来ていたつもりだったんだけど、やっぱりまだまだ、ダメでしたかぁ。叩く時にまだ力入っているというのだ。支えなしで手を振り下ろした時に叩くのと同じ感じで、叩くといい、と、アドバイスしてくれまして。で、このアドバイスが分かりやすかった。なるほど、この感じか、と。最初から教えてくださいよ~、と思ったのだが、最初にこれを聞いても分からなかったに違いない。だって、その後、師匠が、いつものように、オイラの手に叩いてくれたのだが、今回は、なるほどという発見がありましたから。いつもは、これをやってもらってもよく分からなかったのだが。師匠のヒットは強いんですよ。これは、指に力を入れて叩いているから。師匠は力を抜けと言っているのに・・・と思っていたのだが、どうやら、師匠の言うリラックスしろ、というのは、余分な力を抜けということだったのだ。必要な力は加えてやらないといけない。この辺の<コントロール>ができるようになるのに時間がかかるんだ、とのこと。ええ、まだできないっす。確かに、余分な力ばかり入っている。で、一旦全部の力を抜くことを覚えた。そして、今度は必要な力だけを加えろってことなのですね。こういうこと、分かってはいたんだけど、一人ではできなかった。師匠に、細かく直され続けるから、出来ている。体の矯正、一人だと、ついつい、楽な方に逃げちゃうんですよねぇ。ホント、こういうのは、独学では難しい。
で、さらに、手のポジションも直されまして。いや、これもいつも直されていることなんですけど・・・今日、ようやくなぜこのポジションにしなきゃいけないか、が分かったんですわ。手をハの字にするのは、デラデラパターンなど手首を回転させる叩き方が、一番叩きやすい角度がこれだから。で、その他の叩き方も、これに合わせてこのポジションにしていたんですよ。ただ、ナの音だけが、このポジションだと叩きづらいから、ちょっと変形ポジションになる、という。オイラは逆だと勘違いしていたんですよ。ナの音の時のポジションが標準で、他の時がそれぞれイレギュラーなポジションにしなければいけないんだ、と。だから、フレーズが変わるたびに、ポジションを変えなきゃって焦ってたし、結果として、変なカタチばかりになってしまっていて、師匠に「角度が違う。内側に入りすぎ」とか、いつも注意されていたんですわ。そうじゃなくて、ナのポジションだけが特別なんだ、と思ったら、急に楽になった。そして、安定して叩けるようになった。なるほど、師匠、もっと早くに教えてくださいよ~、と思ったが、これも、今言われたから分かったことだ。
師匠がいう「長い時間がかかる」というのはこういうこと。そして、分かる時は「ある日突然」やってくるものなのだとのこと。それは、ちょっとしたアドバイスがキッカケになることが多い。だから、俺は同じアドバイスでも、必要なことは何度でも言うんだ。いつ、「突然やってくるか」は俺にも、本人にも分からないからな、とのこと。
その後、「中指を強化しておけ」と中指強化のフレーズを教えてもらった。正直、今のところ、中指の重要性はあまり感じていない。きっと、今は、師匠が中指フレーズについて言っていることの10%くらいしか、理解できていないに違いない。そして、きっと1週間経って突然、「なるほど、中指はこうだったのか」と思うことになるのだろう。
今日は、そんな音矯正作業が入ったので、いつもより自己練習が長引いて、16時半くらいまで、師匠のところで、練習してしまった。宿に戻ったら17時。その後、ナの音が気になったから、部屋で練習。人差し指に力を入れる鳴らし方を意識してやっていたら、突然、「なるほど、この感じか」と分かった。今まで意識しないで叩いていたから気づけなかったんだけど、意識して叩くようになったら、人差し指の叩く位置の重要性が見えてきたのだ。叩く位置によって、微妙に音が変わる。その中にジャストなポイントがある。毎回そこに当てるのは、今は難しい。だが、いつの日か、できるようになるはず。っていうことを何度も何度も繰り返している気がする。
そんなこんなで、気づいたら19時。う~む、もう一日が終わりだ。いや、まだまだ夜があるのだが、半日タブラ練習をみっちり続けていると、その後への気力が残っていない。飯を食って、パソコンを眺めているだけで精一杯。写真の整理したり、ビデオ編集したり・・・いろいろやらなきゃいけないことはあるんだけどね。タブラだけで一日が終わってしまう。
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