Correct a mistake
早速やっぱり。そしてついにペシュカルヘ/タブラ修行102日目

2015.11.27 / India(Varanasi) 本日 自転車0km走行 : Total 57751km走行
天気:晴 ネット:1
朝飯→サンドイッチ 昼飯→師匠宅でランチカレー 夕飯→ポリッジ / 宿→Joti Cafe(ダブル300ルピー)

(English)
I stayed in Varanasi.



 今日は10時からレッスン。先に部屋に入り、昨日からやりはじめた高速フレーズを練習していたら、師匠がやってきた。「違う」と。てっきり、高速フレーズの叩き方を指摘されたのかと思ったら、なんと<ナ>の音の叩き方を直された。む~ん、またか。一応、昨日直されて、わかったつもりになったはずだったのに・・・やっぱり、まだ分かっていなかったっていうか。自分、どんだけ理解力がないねん、って話ですよ。

 っていうか、今回の師匠直しはマジだった。「ようやく、ヨシの問題点が分かったよ」と言って直してもらったのが、今まで重要視していた人差し指ではなく、薬指。そう、実は薬指が問題だったのだ。この指に力を入れすぎていたってことが問題だったのと、もう一点、この指がスヤヒに乗りすぎていたために、音がミュートされてしまい、響きのある音が得られないということになっていたのだ。薬指にミュート効果があるってのは、最初から師匠に言われていた。でも、人差し指を叩きつけることに意識が集中してしまい、他の指がないがしろになってしまいまして。その結果、薬指のポジションが間違ってしまうってなことになってしまっていたんですよ。もちろん、そんな薬指も師匠に直されていたのだが・・・人差し指ばかりに気をとられて、そちらの修正に神経を注げなかったんですわ。ホント、猪突猛進型の弱点ですわ。これと思ったら、それ以外に気が回らなくなる。

 で、実は、昨日、宿に戻った後、<ナ>の音を直していて、薬指のポジションが気にはなるようになっていたんです。そしたら、やっぱり、師匠にそこを指摘されまして。「ヨシのタブラのスヤヒがすぐに手の脂で汚れるのは、薬指が乗っていたからなんだよ」とも言われまして。スヤヒがそうなっていることに気づいたら、薬指のことはすぐにわかったでしょうに。なぜ、すぐに指摘してくれなかったんですか、師匠・・・が、そこは、ひょっとして、自分で気づくことを期待されていたのかも。なんでも教えてしまうと、却ってよくないですから。オイラが、自分で気づいて、薬指のポジションを変えようとしていたのに、気づいて、ようやく師匠が改めて教えてくれたのかも。自分で気づかないまま、またアドバイスを聞いても、どうせまたスルーしちゃいますからね。

 とにかく、これで、俄然安定していい音が鳴らせるようになった。ふ~、これで、ようやく、基本の叩き方マスターか?いや、きっと、また数日後に直されることになるのだろう。安心するのはまだ早い。

 その後、高速叩きフレーズについて。これは、オイラが気づいた通り、通常のテテとは音が違うのだ。ドラムでもロールプレイでスネアの音が大きいと耳障りじゃないですか。あれは、粒がそろった小さな音だから成立するわけで。それと一緒。タブラの高速フレーズも、音を押さえてつつも粒だった音にすることで、綺麗に聞こえるようになるのですよ。それを意識してやるようにとのこと。はい、分かりました・・・と答えたものの、オイラは本当に分かっているのだろうか?最近<分かる>ってことが分からなくなってきたよ(笑)

 さて、今日はこれだけで終わりかなと思っていたら、師匠がフレーズを叩き始めた。今までみたいに型にはまった感じがなく、フリーな感じがして、どう叩いているのかワカラナイ。「これが、ペシュカルだ」と師匠。おお、これがペシュカルですか。ペシュカルとは、ソロのようなもの。合奏において、タブラがソロで見せ場となる場面で叩くものなのだ。

 今回も打楽器を習うにあたって、ソロフレーズが叩きたいってところから入った。タブラは特に、ソロが派手だから、いつも以上に、ソロがやりたいって思いが強かった。が、レッスンは、来る日も来る日も、基礎ばかり。叩き方や単調なリズムパターンをひたすら繰り返してばかりだった。が、あまりに基礎を徹底してやらされた結果、基礎の重要性を叩きこまれたオイラ。いつしか、ソロフレーズを叩きたいなんて、気持ちは消えてしまっていたんですよ。基礎をちゃんとやることのほうが、面白くなってきたのだ。

 結局、ソロがやりたいってのは、見栄っていうか、上っ面っていうか。本当に楽しいことに気づいていないから、思っていただけなんすよね。尊敬するドラマーのジェフ・ポーカロが、あれだけ上手いのにソロをほとんど披露してこなかったのは、ソロより、リズムの方が面白いってことを知っていたからなんですわ。昔は、ソロがカッコいいドラマーがカッコいいって勘違いしていたよなぁ・・・今は、きちんとリズムが叩けるドラマーがカッコいいって思えるけど。

 「自由にやる」ってことは、一見魅力的に見えるんだけど、実は本当の魅力はそこにはない。制約のある中で、やっていく方が、面白かったりするのだ。この制約ってのは、過去の人たちが見つけてきたキマリ。太鼓で言うなら、ある定型のリズムパターン。これが伝えられてきたってことは、これが面白いからなのだ。だから、それをなぞると、面白さに直結できる。自分勝手に好き勝手やるより、よっぽど、確実に面白さに辿り着けるのだ。

 なんでも、自由自由って言っている人は、そういうことを分かっていない人なんだろうなって思う。かく言うオイラも、ちょっと前までそういう人だったんだけども。

 旅もそう。完全に自由にやるより、ある制約を設けたほうがいい。そしてその制約の設け方は、自分勝手にやるのではなく、面白そうな旅をした人の制約を真似るといい。

 とにかく、今日はまず、ペシュカルの第一歩。まだまだ自由になんて叩けない。今日は基本のルールパターンを教わって終わり。そう、自由に叩くペシュカルも、ルールパターンから始まるのだ。制約の積み重ねが自由になる。いや、自由なのように見えるものも、制約の複雑な組み合わせでしかないのかもしれない。そうか、オイラは、自由に魅せられたのではなく、その複雑さに魅せられたのかも。

 さてさて、今日も、腹の調子がよくない。体の一部がおかしいと、気力が入りづらい。体のパワーがその部分の治療に使われちゃうからだろう。ということで、14時半ころ切り上げて、宿へ戻って一休み。その後、タブラファクトリーへ。新しいタブラが出来上がっているはずの日なのだが・・・やっぱりというかなんというか、出来上がっていなかった。まぁ、時間はありますから。ジックリいいものを作ってくださいな。今日も、バヤンの皮の貼り方を見せてもらいながら、お勉強。一日中タブラ尽くしの毎日。

 いやぁ、タブラに集中しているな、ここんところは。それにしても・・・今まで、何かを身につけたいと思って勉強していた時に、他のことをやりすぎてたよなぁ。だから何事も身につかなかったのだ。ここまで徹底してやるべきだったんですわ。猪突猛進なのに、そういうところはわき目をふりすぎてたんすよねぇ・・・自分の性格に嫌気がさす。なんなんだよ、もう、オイラの性格ってやつは。
















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